• USTREAM
  • Facebook
  • Twitter

sew_logo

Sew イベント 羊毛フェルトでつくる小さなランプ

仕事の余韻を残す家

レポート

動く仕組みがわかる喜び

「こんにちは、テクノ手芸部です。ピコピコしたものが好きな理工系男子とフワッと可愛いものが好きな文科系女子が出会うそんな機会があってもいいんじゃないかと思って本を書いたり、いろいろなワークショップをやったりしています。」

冒頭のわかりやすい紹介が参加者を違和感なくテクノ手芸ワールドに魅き込みます。

「電子工作というととても難解な気がしますけど、蓋を開けてみるととても単純で理にかなっているんですね。こういう風に何がどういう役目を果たしていて、どうつながって動いているのかっていう流れがわかることが実はものづくりにとても大事なんですよ。」

やわらかく人なつっこい口調でさらっとものづくりの意義を語る。これがよしださんとの会話の特徴です。ちょっと冗談っぽいことをいって相手を油断させ、核心をプスっと突く。打ち合わせの時にも何度もあった経験です。

「今、世の中にあるモノって大概、何で動いているか素人にはわからなくなっちゃってるんですね。だからその仕組みがわかるものに出会うと安心する。その安心って大事だと思うんだけどなぁ。さらに仕組みがわかった小さな基板に可愛いフェルトがかぶさっているとなんかうれしいじゃないですか。」

よしださんと話しているとものづくりをする時に起こる小さな喜びをとても大事にしていてそれと同じ体験をみんなですればきっとみんな楽しいはずだという確信が伝わってきます。


みんなで作るからこそコードを決める

「もうね、全部自由ですとか、1から作りましょうとか言ってやると出来上がったものが全然美しくないんですよ。これは本当。型紙を元に切らせる、基板をあらかじめ準備するというと自由なものづくりじゃない気がするじゃないですか。でも一定のコードやサイズに従って作るから全員が出来たものを持ち寄った時に一体感が出て比較が出来るんです。みんなで一斉に作る場合、そういうことが大事なんですよ。」

このよしださんのものづくりの作法は会の最後、みんなが作った家を並べて街並みを形成し、一斉に点灯させたときに共有されることになりました。

「うわっ、一軒一軒表情があって本当の街並みみたい!」
「自分の家が一番可愛いけど、並んでいるともっと可愛い!」

会場の照明が消された瞬間参加者から歓声があがります。工業製品とはいえ、ウールの密度に微妙にムラがあるフェルトでを用いて作った家は同じ型紙を使っていても壁の光り方が異なります。その差だけで十分に個性的です。また柔らかい素材で作られているので家の傾きや歪みもそれぞれ異なり同じ家は二つとありません。全体としてまとまりを強く感じるけれど個々を見ると同じものは二つとない。そんな素敵な情景が広がりました。


余韻のゆらぎを設計する

『仕事の余韻を残す家』はその名のとおり、そこで仕事をしていたよ、作業していたよということをじんわりと周囲の人に伝える機能を持った小さなランプです。最初は『会社に余韻を残す家』としていましたが、

「会社員の人だけでないし、もっと存在や行為を残すっていうニュアンスが出た方がいいかも・・・」

とよしださんのアイデアで現タイトルに決定しました。

タイトルを決める時まず決まったのは「余韻」という単語でした。そしてよしださんが一番こだわったのも「余韻」をどう表現するかでした。試作のために持ってきたパーツを私たちに見せながら、

「LEDを使った場合、流れる電気の量が一定以下になるとパッと消えちゃうんです。でも麦球を使うと電流の低下に合わせて暗―くなっていきます。おまけに指向性がないので全方向を照らしてぼんやり感が出るし、揺らぎもあるんですよね。」

コンデンサの容量も消える時間を計測しながら選びます。3分、5分、10分・・・どれくらいが適当かの話をしているとよしださんがいきなり、

「今気付いたんですけど、これって会社で使ったとしたら「あ、まだ電気がついているから会社の近くに居るぞ!」ってなって余韻どころじゃなくないですか?」

と。一同大爆笑。確かにその通りで一気にお節介ツールになってしまいます。

「帰りました。探さないでください。って意味で使ってもらえるようにしないといけませんね・・・。」


個人が持ち寄って思い入れを語る熱気

さて、実際の制作風景ですが型紙の切抜きが終わり縫う段階に入るとSewイベント史上最高に静かな時間が流れます。ちくちくちくちく・・・・手元を凝視しながら作業が進む中で時々「うわっ間違えた」とか「この縫い方でいいのかな」という独り言が聞こえ、さらに「ふーっ」っと肩の力を抜く大きな深呼吸が響きます。

運営側としては交流を目的としたイベントなのでちょっと不安だったのですが、次々と家が出来上がり、それが広場に建ち始めると杞憂だったことに気付きます。集中し思い入れを込めて制作した自分の家の特徴や制作の苦労を参加者が活発にやり取りし始めたのです。それは街並みの撮影会、そのあとのお茶会までずっと続きました。

今までのSewイベントはグループでアイデアを出したり、ものをつくる内容になっており、必ず製作中に活発なやり取りが起こるような仕掛けを挿入していました。でも今回のイベントを経験して個人で作ったものを持ち集まった後に起こるやり取りの盛り上がりも体験することが出来ました。

いずれの手法とも、ものづくりを介したコミュニケーションはとても活発で強いものになるなというのがSewスタッフの実感です。今後ともSewではものづくりイベントを多数企画していく予定です。ご興味をもたれた方は是非ご参加ください。

開催日時2013年2月19日(火) 1900-2100
会    場フューチャーワークスタジオ ”Sew”
開催場所東京都千代田区紀尾井町4-1 ニューオータニガーデンコート10F
定    員20名
参 加 費1000円(ワークショップ材料費、飲みもの、軽食代として)
主 催 者テクノ手芸部/Sew運営委員会
概要 かわいい雑貨が好きでも、自身で作ろうとは思わない方もいます。
手芸の好きな方も、電子工作や電子部品には興味を惹かれなかったりします。
ですが、すこし見方を変えれば、手芸も電子工作も似ているということに気づくと
思います。
このイベントでは電気を使った手芸の新しいかたち、『テクノ手芸』を体験してい
ただきます。
私たちの生活の中に溢れている電子部品、情報技術、新素材などが、もっと身近に
見えてくるはずです。
詳細説明 仕事をする時、机の上やPCの傍らに可愛いけど役に立つものを置いてみませんか。

今回はUSBから給電し、PCを立ち上げている時に燈る家形のランプを製作したいと思います。作業している時には煌々と輝き、PCをシャットダウンするとしばらくしてふっと消える・・・。そこで誰かが働いていたことをさりげなく告げるランプです。

今回はたくさんのランプを並べて街のような情景を作り出し、楽しむところまでやりたいと考えています。奮ってご参加ください。

テクノ手芸部さん

かすやきょうこ、よしだともふみによるアートユニット。

2008年結成。手芸と電子工作という異なる領域を組み合わせた作品をテクノ手芸と名付け、作品制作やワークショップを展開。

著書に『テクノ手芸』(ワークスコーポレーション)『羊毛フェルトでふわピカ動物をつくろう』(マイナビ)。

http://techno-shugei.com

注意事項

・実際にフェルト等を切る・縫うなどの軽作業を行います。
試行は十分行っておりますが、万が一ケガをされた場合は参加者の皆様の自己責任ということでご了承をお願いします。

・また手芸として製作するものですので完成品につきまして恒久的な動作を保証するものではありません。耐久性の試験も行っておりますがこの点ご了承ください。

・終了後に制作したランプを囲んでのお茶会を準備しております。振るってご参加ください。

・ワークショップ形式で行いますのでくれぐれも遅刻がないようにお願いいたします。開始30分以後の入場はできません。

参加方法 本イベントは終了しました。

news

twitter
facebook
このイベントに参加する