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Sew イベント 石の上にも2週間

コツコツのコツ

レポート

■一日目(5月22日)


自分を客観化することの重要性

「『コツコツのコツ』なんてイベントに来ている時点で、皆さんかなりコツコツされている方なんだなと思いますが・・・。」

講師(コツコツ博士)の根本さんがそう話すと会場のあちこちから笑いが起こりました。コツコツ続けるための技術を自分たちの体験から見つけ出そうという今回のイベント。参加者の視線は早くその技術を教えてほしいという欲求と、これからなにが起こるのかという期待感を帯びているように感じます。

「コツコツ続けるための技術を知るというのは裏返せばコツコツを妨げる要因を知るということなんですね。自分がつまずく要因を客観的に捉えることができるということが継続にはとても重要で、例えば、一度失敗しても”ああ、昨日実行できなかったのは○○が理由なんだな”と振り返る習慣がつくことから再スタートが切れたりします。」

根本さんの口調は研究者らしく、派手さを一切除外した淡々としたペースで展開されます。ただ、そこには参加者の皆さんにどうにか自分たちなりのコツコツできる方法を探しだしてほしいという優しさがこめられているように感じました。

画面に次々と映し出されていく阻害要因のパターン。「目標が高すぎる」、「目標を立てたことに満足してしまう」など誰もが陥ったことがある挫折。根本さんは要因を挙げるだけでなく、なぜそういうことになってしまうのかという科学的な根拠を示していきます。

「ドーパミンって満足感や幸福感を与える脳内物質といわれていますけど、厄介なことにこれが出るのは何かを達成した時ではなく、何かを成し遂げようと期待した時だとわかってきているんですね。」

つまり、計画を立ててそれを実行している自分を頭に思い描くだけで脳内にドーパミンが分泌され、達成したかのような満足を感じてしまうというのです。でも、そんな生理的なレベルで起きていることにどうやって立ち向かえばいいのでしょう。

「こういう背景を知っていると計画を立てて、気分が良くなっちゃった時に、“いかんいかん、これはまやかし”と自分を客観的に見れるんです。そうすると“実行したほうがもっと気持ち良いよ”と自分に言い聞かせることができる。」

うーん。なるほど、こう説明されると確かに納得します。


コツを貪欲に持って帰る

「カシャッ」「カシャッ」・・・、スライドが切り替わるごとにシャッター音が鳴ります。Sewでは今まで様々なイベントを行ってきましたがこれほど画面が撮影されるのは初めてです。それだけ皆さんここで得られる情報を漏れなく持って帰りたいと思っているのでしょう。このことをもう一人の講師、堀田さんに伝えると

「本当ですか?うれしいなぁ。皆さん真剣ですよね。とても挫折しそうな人たちには見えないです。」

という感想が返ってきました。講師のお二人も参加者の積極性には驚かされていたようです。


コツコツ帖登場!

最初のワークは失敗・成功体験の共有。根本さんの挙げた阻害要因のパターンを参考にしながら今まで続けようと思って続けられなかった経験、なんとなく続けられて習慣化した経験をグループで共有します。果たしてその裏にはどんな理由が潜んでいるのでしょう。最初はポツポツと始まった会話も次第に熱を帯びて手元にある黒板にいろいろな体験が書き込まれていきます。

さて、場が暖まったところで参加者の皆さんの手元に今回のキーアイテム「コツコツ帖」が配られ、一日目の全貌が明らかになりました。

「今日から二週間、これを続けたいということを決めて、コツコツ帖に書き込んでください。その際には先ほどの阻害要因を考慮に入れてしっかり難易度の調整をしてくださいね。」

手元に配られたコツコツ帖には二週間分のカレンダーがついていて、目標をどれくらい達成できたか記録しておくことができます。もちろん、継続が難しい場合は途中でやめてしまってもかまいません。

「皆さん、”メンター”ってご存知ですか?困ったときに的確なアドバイスをくれる相談相手のことを言うんですが、その存在が実は継続にはとても重要なんですね。今、皆さんがコツコツ帖に書き込んだ目標のレベルが適切かを知るために、周囲に以前似た目標を達成した人がいないか探してみてください。」

根本さんがおっしゃるには、継続には成功者の体験談・アドバイスや自分だけじゃなく何人かでやっているという連帯感が大きく影響するそうです。くじけそうになったとき、グッと手を引っ張って戻してくれる存在ということですね。

「皆さん、コツコツ帖を書いたことで満足してしまわずに、二週間後笑顔で会いましょう。」

さすがコツコツ博士。最後の念押しも忘れません。
目標を記入したコツコツ帖を手に、参加者の皆さんはそれぞれの帰途につかれました。




■二日目(6月5日)


復活できた自分をほめる

開始前、自由に着席した状態でもすでに「コツコツできましたか?」と成果確認が始まっています。さて、二週の間、参加者の皆さんはどんな経験をされたのでしょうか。

「こちらに前回お話した挫折の要因を挙げました。実際に二週間やってみて、やっぱりこの罠にはまっちゃったなという方がいたらお話伺いたいのですが・・・。」

コツコツ博士、根本さんによる二週間の振り返り。何人かの方は残念ながら前回紹介された阻害要因に当たってしまったようです。「早起きを課題にしたのですが、起きる時間を早く設定しすぎて二度寝してしまいました」など体験に基づいた失敗談が語られます。

「一回挫折しても復活することが大事なんですね。“どうにでもなれ”と思ってすべてを投げやってしまうのではなく、再開できた自分をほめてあげる。そんな中から自分のペースやレベルがわかっていくので。」

挫折には自分自身の怠けだけではなく、外的要因によるものも多く、それを自分のせいにしてしまうとストレスが大きくなってしまいます。その二つを上手く分別することで再開を容易にするというのが継続のコツというのは大いに腑に落ちます。


コツコツすごろくをつくろう!

さて、コツコツ帖の共有が終わったところで2日目のワークスタートです。まず、「運動系」「文化系」「家事系」「習慣系」「その他」と目標としていたコツコツの内容によるグループ分けを行います。多かったのはジョギングや筋トレなどの「運動系」、英会話や読書などの「文化系」です。

「今日は皆さんにすごろくを作ってもらいます。」

手元に大きなすごろくの台紙が配られると参加者は「!」と「?」の入り混じった表情をしています。まさか社会人がたくさん参加するイベントですごろくを作らされるとは誰も思っていなかったのではないでしょうか。

「これは皆さんの二週間を基にしたすごろくです。皆さんのコツコツ帖に”背中を押されたエピソード”、”げんなりしたエピソード”という記入欄があったと思いますが、そこに書かれている項目をまずポストイットに書き出してください。そして項目の影響度-3~+3はその数字に応じて進んだり、戻ったりするという風に考えて下さい。すごろくの中にあるちょっと大きなマスにそうした体験のポストイットを貼っていくと出来上がると思います。」

なんと!コツコツ帖とすごろくはリンクしていたのです。例えば毎日のジョギングを目標としていたとして「雨が降った -2」という要因が発生したとします。これは「雨が降ったので2マス戻る」というすごろくのマス設定に変換されます。製作の手順がわかると意外とすごろくの完成までは時間がかかりませんでした。あちこちで「できたー」という声があがります。


経験を共有し反芻する

では、早速遊んでみましょう。途中の大きなマスにはメンバーそれぞれが経験した「背中を押される」「げんなりする」要因とその影響度が書かれています。そのマスに誰かが止まると、書いた本人がエピソードを紹介するというルールです。すごろくを組み立てていく時には粛々と作業を行っていた参加者の皆さんの表情が明るくなり、場が活性化してきました。そこかしこから歓声が上がります。

なるほど経験を共有するというとき、ただ互いのエピソードを話すというのではなく、すごろくのようなゲームを一緒に行うことによって楽しく、難なく振り返ることができます。また、誰かの経験に偏ってしまうのではなく、全員の話が満遍なく聞けるのもこの形式のいいところかもしれません。

次はチームを組みなおしてもう一度すごろくをつくります。今回はすでに一回作って遊んでいるので着席と同時に作業が始まりました。ここまで来るとイベントスタート時、恥ずかしそうに広げていたコツコツ帖を互いに見せ合って積極的にエピソード交換をしています。上手くいったことだけで無く、上手くいかなかったことを共有するというのもコミュニケーションの活性化には大事なことなのかもしれません。


コツは自分の中にある

最後はコツコツ博士によるまとめです。内容は前回と今回の内容を踏まえて自分たちの中に見つけ出した『コツコツのコツ』について。

「コツコツ続けるためにいろいろな方法が考え続けられていて、でもこれが正解というのはないですよね。それは、その答が人から教えられるものでは無くて自分の中にあるからじゃないかと思うんです。それに気づくと自分なりのコツコツのコツがわかって“続けるためにはこうしなきゃいけないんだ”とか“ここでくじけてしまいそうだから気をつけなきゃ”って先手が打てる。皆さんはコツコツ帖やすごろくを使って自分の中にあったコツコツのコツを外在化させることができました。この経験はとても貴重だと思います。」

一日目、根本さんのスライドを一枚一枚写真に収めていた参加者の方々は、多分コツコツのコツを教えてもらいたいと思い参加したのではないでしょうか。きっと専門家は継続力をつけるための上手い方法を知っているのではと。でも、二週後の二日目、印象的だったのはカメラでスライドを撮るよりも、自分のコツコツ帖と周りの人のコツコツ帖を見せ合い、そこから自分なりの法則を見つけ出している参加者の皆さんの姿でした。

今回のワークショップではコツコツ博士の充実したプレゼンやコツコツ帖、すごろくといったツールを用いたましたが、多分参加者の方は今後、これらが無くとも自分なりの方法でコツコツできるようになったのではないでしょうか。



***当日使用した資料について***

当日使用したコツコツ帖、コツコツすごろくについては以下のリンクよりダウンロード可能です。ご自由にご使用ください。

当日使われたプレゼンテーションについてはSewまでメールいただければ提供可能です。お名前、所属、使用目的を記載の上お問い合わせください。


■コツコツ帖のダウンロードはこちら

*イベントの際にはA1で出力しました。A3の分割印刷をお薦めします。

■コツコツすごろくのダウンロードはこちら

*イベントの際にはA2で出力しましたがA3でも十分使えます。

資料問い合わせ先 : Sew_Officelabo@okamura.co.jp

開催日時2013年5月22日(第1回)、6月5日(第2回)
会    場フューチャーワークスタジオ ”Sew”
開催場所東京都千代田区紀尾井町4-1 ニューオータニガーデンコート10F
定    員20名
参 加 費1000円(2回合計、ワークショップ材料費、飲みもの、軽食代として)
主 催 者富士ゼロックス(株) コミュニケーション技術研究所 / Sew運営委員会
概要 ジョギング、読書、料理、英会話・・・。
今年こそは続けるぞ!と意気込んでもいつの間にかやめてしまうという経験は誰もがしていると思います。

書店に行けば続けるためのテクニックを紹介する本がたくさん置かれていますし、雑誌にも体験談を兼ねた広告が載っていたり。

でも、これだけ続けるテクニックについての本や体験談があるということはそれだけ物事を続けることが難しいということの裏返しでもあります。じゃあ、人から教えられるのではなく、自分たちの経験から物事を続けるためのノウハウを見つけ出そうというのが今回のワークショップです。

第1回で今までの挫折や成功体験を共有し、2回目まで続けたい行動を挙げます。2回目までは渡された日記に日々の実行や挫折を記録していきます。

2回目はその日記を持ち寄って・・・??

自分達が自ら実験台になってみることによって続けるためのノウハウを体にしみこませようという企画。三日坊主の方にこそ参加していただければと思います。
詳細説明 <第一回 5月22日>

18:30 開場
19:00 概要説明
19:20 ワークショップ#1スタート
20:00 ワークショップ#2スタート
20:30 講評 共有 まとめ


<第2回 6月5日>

18:30 開場
19:00 概要説明
19:20 ワークショップ#1スタート
20:00 ワークショップ#2スタート
20:30 講評 共有 まとめ
21:00 おつかれさま パーティー
22:00 解散

富士ゼロックスコミュニケーション技術研究所 根本啓一さん 堀田竜士さん

根本啓一さん

2003年、富士ゼロックス入社。組織の働き方を定量的にアプローチする組織行動分析を担当。2009年から米国 MIT Center for Collective Intelligenceに客員研究員として在籍し、集合知を実現する新しい組織のあり方、働き方として、Wikipediaコミュニティを対象としたコラボレーションとコミュニケーションの研究に従事。
2011年に帰国後、複雑化する社会課題を解決するために、多様なステークホルダーが協働し、コミュニティによる課題解決のプロセスを支援するサービスの研究開発に参画。特に、コミュニティにおいて、課題解決に向けた持続的な取り組みを促進する方法論として、ゲーミフィケーションをテーマとする。


堀田竜士さん

東北大学大学院工学研究科 都市・建築学専攻修了。ワーカーの行動分析研究やシェアオフィスの立ち上げプロジェクトに携わるなど、働く人と働く環境との関係を探る活動を実施。2011年富士ゼロックス入社後、地域共創モデルの研究開発に従事。多様なステークホルダーとともに、地域の魅力や課題を起点としたコミュニティの行動を支援する方法論の開発をテーマとしている。

注意事項

本ワークショップは2回連続の参加を前提として設計されております。一回のみ参加という方は受付できませんのでご注意ください。また、2回目は1回目からの結果を持ち寄ってディスカッションする内容となっておりますので、記録帖を忘れずにご持参ください。

参加方法 本イベントは終了しました。

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