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Sew イベント

ぼくたちは すきなことばで できている

レポート

「結社って、あまり一般的な言葉じゃないと思うんですよね。秘密結社とかなんか怪しい感じがして。でも、俳句や短歌を楽しむ人たちの間では、同じような傾向をもった仲間が集まって批評し合う場として結社が機能していて、自然な存在なんです。」

講師の堀切さんから、俳句、短歌の世界について説明が行われました。

「私たちは、自分に合った服や音楽を選ぶように、無意識に好きな言葉を選んでいる。同じように、言葉にもジャンルや流行がありますが、あんまり意識することはないですよね。今日は、似たような言葉が好きな人と出会おう、好みを共有しようというのが最終目的になっています。」

2回目の講師を務めていただく山口さんからも丁寧に趣旨説明がありました。手元には俳句、短歌それぞれの結社が刊行している小冊子(結社誌と呼ばれる)が回覧されます。読み物調になっているもの、ただものすごい数の歌が並べられているもの、各結社ごとに結社誌の役割や表現も異なっていて、どれも魅力的です。


■他人の言葉をつないでいく

「今日は言葉の好みを探ろうということで、カードゲームを用意しました。紫の札が5音、緑の札が7音で、それぞれ有名な俳句や短歌を5/7/5/…とバラバラにしたものです。最初は5音と7音のカードをそれぞれ5枚ずつ取って、順番に5、7、5…とつないでいくゲームです。5、7、5まででいいつながりが生まれたら、そこで止めてしまって俳句作品にすることができます。5、7、5だけでは意味が分からなかったり、すわりが悪い場合にはさらに7、7とつなげて短歌にすることもできます。最初に5+5で10枚とりますが、どうしても自分には使いこなせないという札が合ったら1回だけ交換することができます。」

3人ごとにグループをつくって手持ちのカードから言葉をつなげていきます。

「おぉ、そういう展開??」
「これでは意味が通らないからもうちょっと具体的なカードがないと。」

といった声が各グループから聞こえてきます。時代や情景が異なる俳句短歌から作られたカードということもあり、すべての言葉が似通っているわけではありません。直前の人が置いたカードを受けて、そして歌全体の意味を考えてカードを置いていきます。

「手持ちのカードがなくなったら、そこで終了です。各グループで一番お勧めの句、または歌を選んでください。」


■好きな言葉の傾向を知る

「じゃあ、いよいよ本日の目標である、結社をつくっていきます。すべてのカードを広げてテーブルに置いてください。そして順番に自分の好きなカードを直感でとっていってください。」

机一杯に広げられたカードから、「私、これ」、「僕はこれかな」と次々にカードが引き取られていきます。

「手元に、好きな言葉が集まってきましたか?では、カードを裏返してみてください。裏に小さな丸がふたつついていて、それぞれ4色に塗り分けられていると思います。」

参加者のみなさん、カードの裏を見て、小さな仕掛けにちょっと驚いた様子。

「自分のカードで一番多い色を教えてください。それでチーム分けをしましょう。」

結果として今回は黄色、青、グレイの3チームに分かれました。みなさん、何をもとにチーム分けがされているかわからない様子。

「それぞれ、同じチームのメンバーが持ち寄った言葉を見せ合ってください。どんな特徴のある言葉が集まっていて、なぜそれを好んだのかを共有しましょう。」

山口さんがそう呼びかけると、各チームのメンバーが手持ちのカードを紹介しあいました。

「3人とも“初鰹”というカードを持っているんだけど、これは、どういうこと?」
「なんとなく、爽やかというか、青春っぽい言葉が多い?」

チームの特徴を探っていきます。

「答えを言ってしまうと、57カードの原作の俳句や短歌の作風から黄色はリアル、ピンクはファンタジーという軸で分けました。そしてグレイは古典、ブルーは現代という軸もあります。」

今回は単純に一番多かった色でチーム分けをしましたが、この2軸でつくられる4象限から「リアル+古典」、「リアル+現代」、「ファンタジー+古典」、「ファンタジー+現代」というグループ分けが可能になります。これが今回のワークショップで試みた、好きな言葉の傾向を指針とする「結社」にあたるわけです。


■言葉から広がる世界

「最後に各結社の人の特徴を知ろうということで、題詠に挑んでいただきます。テーマは“夏休み”です。コンパクトに俳句を詠んでもいいですし、言いたいことが収まらなければ短歌にしていただいてもいいです。各人、色紙に歌を書いてもらって、黒板のところで発表しましょう。」

ワークショップの設計をするとき、講師のお二人と題詠は難しいかなと心配していましたが、みなさん熱心に言葉を選んで挑んでいて一安心。10分もたたずに参加者それぞれの「夏休み」がずらりと並びました。

「おーこれは幻想的で、青チームらしいね。」
「余韻を残すところがとてもいい雰囲気ですね。」
「自分がリアルで古典が好きという結果だったので、逆にそういう言葉を使わないようにしました。」

日頃意識することが少ない、自分が使う言葉。その好みを知り、同じような傾向の人と出会う。言葉の話だけではなく、日ごろ読む本、見る映画、聴く音楽など共通点を探る会話は夜遅くまで続きました。

開催日時2017年7月12日(水)
会    場フューチャーワークスタジオ”Sew”
開催場所〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町4-1 ニューオータニガーデンコート10F
参 加 費1000円
主 催 者山口文子、堀切克洋、Sew運営委員会
概要 読む本が同じ。まとう洋服のタイプが似ている。旬の食べものには目がない。

そんな共通の「好き」があると、それだけで嬉しくて、グッと近づけてしまうもの。
でも、実はもっと日常的なもので、その人の「好き」がわかるものがあるかもしれません。

それは、私たちがふだん使っている「言葉」。
喜びかたも怒りかたも、社内メールの書きかたにだって、そこに個性が出てしまうもの。
「こんな言葉をさらっと使えるなんて素敵」、「この人の話しかた、言葉のつなげかたが好き」。
そんなふうに思ったこと、一度はあるのではないでしょうか?
そして、自分と「すきなことば」が近い人は、どんな人でしょうか。

5・7・5。5・7・5・7・7。
俳句や短歌が5と7の組みあわせでできているのは、それが日本語としっくり馴染む音律だからと言われています。
本会では「5・7カード」を使って、言葉をバラバラにし、組みあわせ、新たな俳句・短歌に再構築しながら、自分がもっている言葉へのイメージを発見していきます。

同じ「すきなことば」をもつ人たちと「結社」をつくれば、その作業はもっとスムーズに進むのでしょうか?結社の仲間には、ほかの共通点もあるでしょうか?
「すきなことば」をもっている人、探している人、そして言葉に興味がある人。
一見マジメそうで遊び心たっぷりのこの実験に、参加してみませんか。
詳細説明 1900-1905 趣旨説明 注意事項案内
1905-1920 好みのことばについてレクチャ
1920-1950 言葉をつづけるワークショップ
1950-2010 結社をつくるワークショップ
2010-2045 好きなことばで世界を描く
2045-2100 講評

2100-2200 懇親会

山口文子さん 堀切克洋さん

山口文子(やまぐちあやこ)
歌人、脚本家

中学時代より短歌を始め、14~28歳までの短歌をまとめた歌集『その言葉は減価償却されました』(角川学芸出版)上梓。
朝日新聞の「あるきだす言葉たち」、『短歌』などに作品を寄稿。「りとむ短歌会」所属。
広告代理店勤務を経て、東京藝術大学大学院映画専攻脚本領域を修了。映画や企業PVの脚本・企画に参加。
パリで一年三カ月の映画漬けモラトリアムを過ごしながら、改めて日本語の豊かさを実感。
マンガを介してコミュニケーションをはかる集団「マンガナイト」でも活動中。


堀切克洋(ほりきりかつひろ)
俳人、演劇評論家

28歳のとき、神保町の俳句バー「銀漢亭」で俳句に出会い、折しも店主が新しい俳句結社を立ち上げると聞いて、2011年より「銀漢俳句会」に参加(主宰=伊藤伊那男)。
本職は、哲学・芸術の研究。2013年9月から2015年12月までパリ留学。
パリ滞在時には、毎月どこかに出かけて俳句をつくる「パリ吟行会」を主宰。
また、「パリ短歌クラブ」にも参加し、いきおいで短歌もはじめる。
現在は、千葉大学、専修大学、慶應義塾大学にて講師を務める。
「日本経済新聞」にて劇評を執筆中(不定期)。

注意事項

参加方法 先着順にて受付し、定員に達し次第、締切とさせていただきます。


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