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Sew その他 リンダ・グラットン『ワーク・シフト』読書会

『ワーク・シフト』と僕らの距離を考える

レポート

この本をみんなで読むことの意義

リンダ・グラットン著『ワーク・シフト』が多くの話題を集めています。飛びぬけて新しい内容を提示するというよりは、やさしい口調で段階を踏みながら未来予測を行っていることが好評を得ている理由かもしれません。

Sewの周辺でもこの本の話題が多くやり取りされています。「総論的に良くまとまっている」という感想がある一方、「本当に未来はこうなるの?」や「自分達にも関係するの?」といった声も聞こえてきました。

それだったら皆でこの本の読書会をやって、意見交換したらいいんじゃないかということになり、今回の“『ワーク・シフト』と僕らの距離を考える“が企画されたのです。

さらに著者のリンダさん自身が

“私たちが仕事について深く考え始めてこそ<シフト>が加速すると、私は思っている。とは言っても、一人ひとりがほかの人と関係なしに、自分の頭の中だけで考え続けるべきだとは思わない。むしろ、人々がこのようなテーマについて語り合い、大勢の人が結びついてグローバルな変化を生み出していく可能性が高いと思っている。“ –本文369ページ

と書いているように、社内に閉じることなく、広くメンバーを集めて開くことにしました。


仕事を増やす

「どうすれば自分の名刺を増やすことができるだろうか?」

読書会とは言っても、輪読、精読を目的とするというよりはワークショップでこれからの自分達とこの本との距離を探るといった内容となった今回のイベント。まず提示されたテーマがこれです。

日本は名刺文化の国。名刺がその人の顔になるといっていいくらい自己紹介のツールとして根付いています。つまり『ワーク・シフト』で書かれている”連続スペシャリスト”になるということは日本において複数の名刺を持って働くということに他なりません。では連続スペシャリストになるきっかけを体験しようというのがこのワークです。

ます、参加者は個人ワークとして3枚の名刺を準備します。1枚目は今自分か使っているメインの名刺。会社のものでも学生さんであれば大学・学科が書かれたものでもかまいません。2枚目は新しく作る名刺、表には「自分がなりたかったけど諦めてしまった職業」を書きます。3枚目は「1枚目の肩書きがなくなってしまったとき、すぐにでも稼ぐために始める仕事」の名刺です。

さらにその裏にそれを仕事にする、その仕事を進めるうえで「誰の支援が必要か」を書きます。例えばなりたい職業に「医者」と書いた人は裏に「看護婦、医療事務、薬剤師」と書くといった具合です。

個人ワークが終わったところで今度は3~4名のグループに分かれて名刺の紹介をしあいます。最初は1枚目の名刺を使って自己紹介から。硬く始まった共有の作業も、2枚目3枚目の名刺と進むにしたがってだんだん盛り上がってきました。


増やせるかもしれないという実感

グループ作業が終わったところでファシリテーターから説明が行われます。

「2枚目の名刺、これは実現するために結構地味に頑張れるかもしれない職業なんです。そしてなにより諦めてしまったのはかなり前かもしれない。だから今の経験やネットワークを活用すればなるチャンスがあるかもしれない名刺でもあります。」

会場からは「確かに、明日いきなりはなれないけど、昔諦めたときよりはハードルが低いかも」といった反応が返ってきます。

「3枚目の名刺は、日銭を稼ぐための職業ということでもしかしたら皆さんの中で輝いて見えないかもしれません。でも、これは工夫を加えることで発展する可能性を秘めた名刺なんです。」

ファシリテーターはドイツの哲学者ハンナ・アーレントの「労働」「仕事」「活動」とう人間の3つの行為を提示します。「労働」はその日食べるためにする行為。「仕事」は職人などが知恵を盛り込むことで他にはない価値を提供する行為。「活動」は主体的に他者と交わり、私欲を捨てて物事に取り組む行為。第3の名刺は最初「労働」の段階にあるかもしれませんが、工夫を加えて「仕事」に、そしてそれを世に問うていくことで「活動」にすることができるかも、というわけです。


ポッセを探す・つなぐ

小休憩後の第2の課題は「ポッセを探す・つなぐ」です。まず、個人ワークとして手元に配られた紙の表に自分ができること、自分が趣味などで豊富な知識を持っていることをあるだけ書き出します。そして、裏には自分の信頼できるつながり(ポッセ)の中で提供できる専門知識や技量を書き出します。

『ワーク・シフト』の中ではポッセがそれほど多く存在しないということが書かれていますし、なにより自分が相手にとってポッセになるということの重要性についても触れられています。この場で偶然に出会った人がいきなりポッセになるのは難しいかもしれませんが、そのきっかけになるつながりを探そうというのです。

個人ワークの後は組替えをしてまた内容を共有する作業へ。お互い名刺ワークショップのときに「こんな人が居てくれたら」といっていた内容と互いのポッセのマッチングを探ります。「こんな人だったら紹介できるよ」、「こういう人を探しているんですけど」といったやり取りが活発に行われています。思いがけないところにアドバイスをもらえそうな人が現れることに驚きの声が上がりました。


距離を確かめ、動き出す

今回のワークショップ、特別に有名な講師を呼んだり、難しい内容で議論するものではありませんでした。ただ、『ワーク・シフト』で書かれている自分達がこれからの変化に対してどう対応するのか。能動的に選択していかなければならない中で第一歩を踏み出すきっかけとはなにか、ということの一助になる内容だったのではないかと思います。

連続スペシャリストになることを意識しながら生きる、働く。ポッセを探し、自分がポッセとして頼られるようになるよう意識しながら暮らす。なにも100%それに尽力するというよりは普段の生活を送りながら着実に進んでくヒントになったのであれば幸いです。

開催日時2012年10月11日(木) 18:00~20:00
会    場フューチャーワークスタジオ ”Sew”
開催場所東京都千代田区紀尾井町4-1 ニューオータニガーデンコート10F
定    員20名
主 催 者Sew運営委員会
概要 リンダ・グラットン『ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』(プレジデント社刊,2012)がSew周辺で大ヒットしています。

「そうだったのか!」「上手くまとまっていてわかりやすい!」という声がある一方「本当にみんなこうなると思っているの?」や「ちょっと先の話しすぎてわからない」といった声も・・・。

そこで『ワーク・シフト』の内容について議論する読書会を開きます。
読書会といっても難しい顔をして内容を検証するのではなく、チームごとに分かれてのワークショップ形式でこれからのことを考える場にします。

読みかけの人でもOK!
参加費は無料です。
お気軽にご参加ください。
詳細説明 18:00 『ワーク・シフト』の概要説明
18:15 グループでこれからの働き方を考えるセッション
19:30 グループでの感想報告
20:00 終了

池田 晃一さん

1975年生まれ。Future Work Studio "Sew"チーフディレクター。
2002年、岡村製作所に入社以来、働き方の研究を続けている。2011年、これからの働き方とオフィスの関係について『はたらく場所が人をつなぐ』を出版。空間の場所化とそのための場づくりが研究テーマ。

今回は10年になる働き方研究の経験からファシリテーターを務めます。


■リンダ・グラットン著『ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』 プレジデント社 2012年
http://str.president.co.jp/str/book/detail/BK002016/

注意事項

購入された方は『ワーク・シフト』をご持参下さい。

参加方法 本イベントは終了しました。

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